これは、僕と妻と弟夫婦の4人で食事をしていた時に起こった、本当にあった怖い話です。
弟の奥さんもいるので、ここはやはりアニキとして、子どもの頃の弟がいかに素晴らしく立派な人間だったかを紹介してあげようと思いました。小学校時代から学業成績は常にオール5だったこと。持久走大会では毎年学年1位で、文武両道の模範生徒だったこと。さらには高校も大学も就職先も超エリートで、その上で性格もとても優しいアニキ思いの自慢の弟であることをお話ししました。
ここまでは、とても平和で楽しい食事会でした。まさか後にあんな悲劇が起ころうとは、この時はまだ誰にも知る由はありませんでした。
弟は本当に優しい性格のため、照れながらも実の兄にまで気を遣うデキる人間です。そう、弟のターンです。
「いや、お兄ちゃんの方こそ!」
と勢いよく飛び出しました。
しかし、
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シーーーーー…ン。
ないんです。
弟のハイスペックな頭脳をもってしても、アニキの良いところが、出てこないんです。エアコンの音がやけに大きく聞こえました。そして、永遠に続くのかと思われた静寂の中、何とか、言葉を絞り出されました。
「いやでも!お兄ちゃんは!ゲームが強いっ!!」
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、
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1個目です。弟とは20年くらい、共に暮らしたでしょうか。そんな弟から出たアニキの良いところの1個目が、ファミコンです。その後は、森田家の長男がスト2や武道伝2だけでなく、マリカーにウイイレ、さらにはスマブラと、いかに幅広くマルチな才能をお持ちであるかというお話で盛り上がりました。
ウーワ、ウーワ、ウーワ…(スト2風)
それでも、お兄ちゃんはただでは起きません。プレゼンやコミュニケーションのスキルを教える講師として、この経験から学んだことがあります。相手の記憶に残すには、強烈なエピソードが1つあれば良いということです。これは「エピソード記憶」と呼ばれ、感情が含まれるため、忘れたくても忘れられない長期的な記憶として残すことができます。覚えてほしいメッセージは、エピソードにして伝えましょう。
弟よ。お兄ちゃんは会社も辞めちゃったし、森田家を、頼んだぞ。
To Be Continued…
教える・売ることが職業の人たちへ、科学的根拠に基づいて人の心を掴む方法を伝授します。