プロフェッショナルの講師陣が実践するアイデアの作り方とフレームワーク

アイデアを作る2原則

ゼロイチは存在しない

プレゼンの指導を行う中で、「何を話すべきかわからない」「アイデアが浮かばない」というお悩みを非常に多く頂戴します。悩むことは決して悪いことではありませんが、最も貴重な資産である時間を無駄に浪費しかねません。そこで、当記事ではプレゼンのアイデアと具体的な内容の作り方についてご紹介いたします。

1940年の発売以来80年が経った今も尚、ベストセラーの書籍「アイデアのつくり方(ジェームス・W・ヤング著)」によると、アイデアの創造において基礎となる原理は次の2つと説いています。

① アイデアとは、「既存の要素」の新しい組み合わせである
② その才能とは、物事の関連性を見つけ出す才能に依存する

つまり、アイデアはゼロから生み出すものではなく、何かをヒントにして関連づけて作っていくということです。

このことは、起業のネタを探すときも、プレゼンの内容を考えるときも、全く同様です。ゼロから車を作ろうとすれば、世界で初めてガソリン自動車を発明したドイツの技術者カール・ベンツと同じだけの歳月を要します。しかしながら、時間は命です。我々には無駄な時間を費やしている暇はありません。彼女とデートをしなければいけません。その一方で、合コンに行かなければいけません。現代人はとても忙しいのです。最速で成果を上げるためには、先人の知恵を拝借し、それらの新しい組み合わせを見つけ出すことが大切です。ないものに焦点を当てるのでなく、既に持っているものを棚卸して、今あるもので勝負しましょう。

 

フレームワークを活用する

頭の中を整理したいとき、威力を発揮するのが「フレームワーク」です。フレームワークとは、共通して用いることができる考え方、意思決定、分析、問題解決、戦略立案などの「枠組み」のことを指します。代表的なものとして、ロジックツリー、MECE、3C分析、SWOT分析、4P分析、STP分析、5F分析、パーセプションマップ、バリューチェーン、AARRRモデルなどが挙げられます。プロフェッショナルの講師陣が新たなセミナーや講座を開発するときにも必ず行う作業であり、フレームワークを用いると、説明しやすい上に相手とイメージを共有しやすくなるので、使わない手はないでしょう。プレゼンの具体的な内容を作るときは、是非とも以下のフレームワークを参考にしてください。

 

具体的な内容を作る4ステップ

ステップ1:発散

まずは良し悪しを問わず、「量」を意識して思い浮かんだ言葉を「発散」することがスタートです。このとき、お勧めしたいツールが「付箋」です。1枚の付箋につき1つのアイデアを記載します。例えば、プレゼンの「資料作成」に関するセミナーを作ろうとした場合、下図のように、関連するキーワードをとにかく思いつく限り書き出します。

 

ステップ2:集約

次は「集約」です。書き出したアイデアを俯瞰して、似ているものや重複しているものを同じグループに分けます。

 

ステップ3:要約

それぞれの情報をグループ化したら、そのグループを「要約」します。グループ化した付箋(複数の情報)の上に、それらを一言で表現するメッセージを書いた新しい付箋を置きます。資料作成の場合、構成フェーズ、作成フェーズ、操作フェーズ、テクニックと大別することができます。

 

ステップ4:選択

そして最後は「選択」です。ここまでのプロセスで、いくつかのグループが出来上がっていますが、そのすべてをプレゼンで使うことはできません。聞き手の視点で、重要度、緊急度の高いものを優先しましょう。そして、モレやダブりがなく、レベル感が一致していることを考慮して、取捨選択します。聞き手に理解しやすくするために、多くても5つには収めましょう。もし、どうしても選びきれず情報が6つ以上になってしまう場合は、さらに情報同士をまとめることができないか再検討してください。尚、「3」はマジックナンバーであり、脳科学的に覚えやすくかつ説得力があるとされる最強の数字です。

プレゼンの世界において、「アレも言いたい」「コレも言いたい」はあるあるであり、つい情報過多になりがちです。しかしながら、スティーブ・ジョブズの名言「何をやらないかは、何をやるかと同じくらい重要」と等しく、「捨てる」作業こそが、プレゼンに強力なインパクトを与えます。プレゼンテーションの語源はプレゼントです。バレンタインデーの私のように、プレゼントはもらい過ぎても持って帰れません(という夢です)。実際はカバンやポケットに入るくらいの方が嬉しいのです。この点はスキルではなく、勇気です。「本当に伝えるべきことは何か」を突き詰めて、不要な情報は思い切って削除しましょう。結局のところ、プレゼンは「シンプルイズベスト」です。

一部に誤解を招く表現がありましたが、私は妻を愛しています。当記事をご覧の皆様が、仕事の効率を上げて、愛する人と素敵な時間を共にされることを、心よりお祈り申し上げます。

 

教える・売ることが職業の人たちへ、科学的根拠に基づいて人の心を掴む方法を伝授します。

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森田 翔

森田 翔

日本つかみ協会 代表

《略歴》
1984年石川県金沢市生まれ。
エーザイ株式会社にて12年間営業職を務め、2万回を超える商談を経験。新入社員時代は月400時間の長時間労働の末に入院するも、科学的根拠に基づいた「人の心をつかむ」伝え方を習得し、営業成績最下位から1位へと劇的な逆転を果たす。社内のプレゼンテーション大会優勝の経験も持ち、その実績から社内講師として若手社員の育成に貢献。
これらの経験をもとに、より多くの伝え方に困っている人たちを救うために退職を決意、2020年に「日本つかみ協会」を設立。売ることや教えることが職業の人を対象にした伝え方研修・コンサルティングで、年間300回以上のセミナー開催、3,000人以上の受講者数を誇り、国内最大級の研修サイトで24ヶ月連続人気ランキングNo.1を獲得。プライベートでは3万人の前でプロポーズを成功させるなど、公私にわたりプレゼンテーションを実践。
現在は、星薬科大学、戸板女子短期大学の講師、東京海上グループの顧問も務め、個人、法人、行政を問わず全国から講演依頼が殺到している。

《研修実績》
エーザイ株式会社、EAファーマ株式会社、東京海上日動あんしん生命保険株式会社、りそな総合研究所株式会社、日本ロレアル株式会社、アラガン・ジャパン株式会社、株式会社大和書房、株式会社秀光、株式会社オカムラ、株式会社バレン、セミナーコンテスト東京、BNI横浜セントラルリージョン、東京コミュ塾、株式会社ベネフィット・ワン、一般社団法人みらいビジネスラボ、ユニオン労働組合、埼玉しごとセンター、松山しごと創造センター、茅ヶ崎市役所、他多数

《メディア掲載》
SMBCコンサルティング(NETPRESS)、東洋経済ONLINE、日本実業出版社(企業実務)、ZUU online、大和書房(I am)

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