センスは不要!資料が劇的に見やすくなる配色のルール

テーマカラーを決める

テーマカラーは3色

配色は、資料の中で最もばらつきやすい要素です。しかしながら、配色はセンスが必要と思われがちですが、実は配色には基準となるルールがあります。それに従うことで、センスがなくても適切な配色が可能になります。ここでは「色相環」や「色の特性」を利用して、資料の適切な配色のルールをご紹介します。

まず、テーマカラーには原則「3色」を選択してください。3色というと一見少なすぎるように感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。色も情報の一つであり、不必要に情報量を増やしてしまうとそれだけで分かりにくい資料になります。

百聞は一見に如かず。次の2つのスライドのうち、伝えたいことが分かりやすいのはどちらでしょうか。

1つ目はどこを見れば良いか分からず視点が定まりませんが、2つ目は「スキル」の文字に真っ先に向かうはずです。この資料で伝えたいことが、「まずは誰でも身につけられるスキルを磨きましょう」であった場合、どちらの資料を活用すべきかは一目瞭然です。

テーマカラーは「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」を、それぞれ「70%」「25%」「5%」の割合でスライドに配分すると全体としてのまとまりが良くなります。先の2枚目はベースカラーに白、メインカラーにグレー、アクセントカラーに赤を使用しています。もし、色を増やしたい場合は、テーマカラーのグラデーション色を用いて濃淡をつけましょう。

また、パワーポイントで表やグラフを作成する際、デフォルトのままやスマートアート機能を用いると色が多用されるため、黒系統かテーマカラーに修正しましょう。加えて、強調したい箇所は図形で囲むのでなく、背景色を使うと落ち着いた見た目になります。

基本色で一番大切なことは、テーマカラーの法則を資料全体で一貫して守ることです。法則はそれがどれだけ優れたものであっても、繰り返さないと認識されません。逆に言えば、繰り返すことによって法則性が強調され、読み手に作者の意図が伝わりやすくなります。「この色は注意点」「この色が出てきたから、ここが強調したいところ」といったように、読み手に自然と思ってもらえるようになることが、テーマカラーの最終的なゴールです。資料全体でテーマカラーの使用を徹底しましょう。

 

ベースカラー

ベースカラーとは、資料の背景色として使用する色です。特別な理由がある場合を除き、基本的には「白」を使用しましょう。それ以外はビジーになり、印刷も大変です。

 

メインカラー

メインカラーとは、見出しや主張したい内容など、資料の要所に使用する色です。商品のイメージカラーやコーポレートカラー、またターゲットが好みそうな色を選択すると効果的です。尚、コーポレートカラーはパワーポイントのスポイト機能(図形の書式設定→図形の塗りつぶし→その他の塗りつぶしの色)を用いて盗むことができます。

 

アクセントカラー

アクセントカラーとは、閲覧者に特に注目させたい内容や注意書きなどに使用する色です。少ない面積でも、しっかり主張できる色を選びましょう。主には赤系の色やメインカラーの補色を使用すると鮮やかになります。補色とは、以下に示す色相環(カラーホイール)において、反対側に位置する色のことです。例えば、赤と緑、青とオレンジ、黄と紫、といった組み合わせが補色です。補色の2色は色相差が最も大きく、お互いの色味を引き立たせる関係です。

 

色の選び方に関する注意点

原色は避ける

色を選択する際、特にメインカラーを選ぶときには、原色を避けるようにしてください。また、一般的に本文の色は「黒」で表記されていますが、黒の代わりに「濃いグレー」を使用することをお勧めします。白いベースカラーの上に100%黒の文字を乗せた場合、コントラストが強くなりすぎます(特にディスプレイの場合に顕著です)。長く読み続ける必要のある本文であれば、あえてグレーを使用してコントラストを落とし、目の負担に配慮することが望ましいと言えます。

 

色には意味がある

色によって感情はコントロールされています。例えば、黄は楽観、橙は友好、赤は興奮、紫は創造、青は信頼、緑は平和、灰はバランスを連想します。コーポレートカラーを決める際には、ぜひ意識してください。ちなみに、日本つかみ協会のロゴは、運やお金やチャンスなど、キラキラしたものを掴み取るイメージから、ゴールドを採用しています。ゴールドは豊かさの象徴であり、高級感や存在感が強く、特別な印象を与えます。

また、信号機の色のように、青はポジティブ、赤はネガティブなイメージを持つため、同様のグラフであっても伝えたい意図に合う色を選択しましょう。

これらの他、ビフォー・アフターを表現する際は、色を用いてしっかりと差をつけることが大切です。具体的には使用前の悪いイメージには黒やグレーなどの暗いくすんだ色を、使用後の改善イメージには青やオレンジなど明るい鮮やかな色(一番良いのは「メインカラー」)を使って対比させるのが良いでしょう。

プロフェッショナルは資料の中で使用する色を必ずルールとして定めています。最初に配色ルールを設定した上で資料作りを始めるようにしましょう。

 

教える・売ることが職業の人たちへ、科学的根拠に基づいて人の心を掴む方法を伝授します。

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森田 翔

森田 翔

日本つかみ協会 代表

《略歴》
1984年石川県金沢市生まれ。
エーザイ株式会社にて12年間営業職を務め、2万回を超える商談を経験。新入社員時代は月400時間の長時間労働の末に入院するも、科学的根拠に基づいた「人の心をつかむ」伝え方を習得し、営業成績最下位から1位へと劇的な逆転を果たす。社内のプレゼンテーション大会優勝の経験も持ち、その実績から社内講師として若手社員の育成に貢献。
これらの経験をもとに、より多くの伝え方に困っている人たちを救うために退職を決意、2020年に「日本つかみ協会」を設立。売ることや教えることが職業の人を対象にした伝え方研修・コンサルティングで、年間300回以上のセミナー開催、3,000人以上の受講者数を誇り、国内最大級の研修サイトで24ヶ月連続人気ランキングNo.1を獲得。プライベートでは3万人の前でプロポーズを成功させるなど、公私にわたりプレゼンテーションを実践。
現在は、星薬科大学、戸板女子短期大学の講師、東京海上グループの顧問も務め、個人、法人、行政を問わず全国から講演依頼が殺到している。

《研修実績》
エーザイ株式会社、EAファーマ株式会社、東京海上日動あんしん生命保険株式会社、りそな総合研究所株式会社、日本ロレアル株式会社、アラガン・ジャパン株式会社、株式会社大和書房、株式会社秀光、株式会社オカムラ、株式会社バレン、ボーダレスアカデミー、セミナーコンテスト東京、BNI横浜セントラルリージョン、東京コミュ塾、株式会社ベネフィット・ワン、一般社団法人みらいビジネスラボ、ユニオン労働組合、埼玉しごとセンター、松山しごと創造センター、茅ヶ崎市役所、他多数

《メディア掲載》
SMBCコンサルティング(NETPRESS)、東洋経済ONLINE、日本実業出版社(企業実務)、ZUU online、大和書房(I am)

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